【自すし】とは、自宅で自ら作る鮨と言う意味を持つ、私が造った単語です
鮨、和食職人歴、約35年以上
食べるのも作るのも大好きで美味しく作れないかと
ミシュラン店や繁盛店を渡り歩き、現在も自分の技術を磨く事に精進する毎日です
そんな職人が今までの鮨に関する知識、情報を
鮨を通じて幸せになる方が多くなるように
お役立て出来ないかなと思い
勝手ながらブログを作ってみました
- 初めて寿司(鮨)を挑戦しようとしている方
- ミシュラン鮨店や高級鮨店に食べに行きたいけどお値段的に高いから行けないな~と思う方
- 外国人の友達がいて、自宅に招待して寿司(鮨)を握ってあげたい方
- お父さんが家族へ美味しい鮨を握りたい方
- 友だちを呼んで鮨パーティーをしたい方
- 彼女を呼んで美味しい鮨を食べてもらって愛を深めたい♡方
- 友だちや知人にプレゼントとして鮨をあげたい方
- 自分が鮨を握る動画を撮りたい方
- 鮨に興味があり知識が知りたい方
- 自分の趣味として鮨を楽しんで握り美味しく食べたい方
など
米選び
シャリでの米選びは、店の大将が決めています
どんな鮨を握るのかによって米の選別が様々です
鮨に適した米は、鮨酢に合わせてもべとつかず、口に入れた瞬間に「ほろり」とほどけ、一粒一粒が口の中で感じ取れ、旨味があるものです
コシヒカリ | 香り、旨味が程よく、多くの鮨屋で使われています |
---|---|
ササニシキ | 粘りが少なく、旨味もあっさりしている |
ひとめぼれ | 旨味、香りなどバランスが良く、粘りが強い |
あきたこまち | やや小粒で、粘りが少なめであっさりしている |
はえぬき | 米の粒感があり、粘り少なめであっさりした旨味 |
つや姫 | 粒ぞろえが良く、粒感があり 甘味、旨味、つや感がある |
---|---|
新之助 | 粒が大きめで粒感があり旨味、甘味が良い |
米の知識
アミロース⇒粘りが少なく、ほろりとほぐれる食感になる
アミロペクチン⇒粘りが多く、もっちり食感が出やすく
日常食べている白飯は、うるち米という分類で、アミロース20%、アミロペクチン80%位の成分で、ややもっちり感がある炊き方をしている
ちなみに
もち米は、アミロペクチン100%ですので、もちもちしているから「お餅」という事なのです
酢
米酢⇒原料が米で日本料理には欠かせない酢
米の旨味、風味があり、まろやかな口当たりがほど良い
赤酢⇒原料が酒粕(さけかす)で、江戸前鮨では、赤酢を使う店が多くあります
酒を醸造した時に出る酒粕を3~4か月手間暇かけ酢酸発酵させます
その後さらに熟成させ、赤酢が仕上がるまでに3~4年位掛かります
鮮やかで赤褐色をおび、酸味がまろやかでコクがあり味の奥行きを感じます
今は、人気がある赤酢なので、一般の方は手に入りにくい商品です
穀物酢⇒原料が小麦、トウモロコシなどで、あっさりしていて酢味が強めです
価格が安く、癖がないため食材の香りを殺したくない時や酢を大量に使う時に使われます
砂糖
上白糖⇒甘みが強く、寿司酢、料理、お菓子、デザートなど幅広く活用されています
三温糖⇒茶褐色で上白糖より穏やかな甘み、ややコクがあります
グラニュー糖⇒甘みがやわらかくあっさりしています
ざらめ⇒甘みがやわらかく、キャラメルのような黄褐色で味の奥行きがでます
塩
塩は、主に精製塩と自然塩(天然塩)に分類されます
■精製
海水を電気分解し、濃い海水を造り、水分を蒸発させ塩の結晶を造りだし、精製塩が仕上がります
雑味がなく塩辛さを強く感じます
■自然塩(天然塩)
- 海塩⇒海水を煮詰めて造った自然海塩 天日干して太陽光に当て、乾かして造る
- 岩塩⇒海水が何らかの形で封じ込められ、結晶化したもの
- 湖塩⇒干上がった胡塩を採集して粉状にする 日本では取れない
【自然塩の特徴】
■海塩・・・ミネラルが豊富で、まろやかな塩気のものが多く 甘味、旨味、苦味を感じる味わい深い塩
■岩塩・・・ミネラルが豊富で色も様々にあり、やや塩気は強く 甘味、旨味、苦味が海塩と同様に楽しめる
■湖塩・・・水に溶けにくく採集する産地により成分、味、塩気も様々である
■再生加工塩・・・一度塩になったものに「にがり」を加えて添加したもの 精製塩と違いミネラル感があり、深みのある味がある 伯方の塩など
昆布
【昆布の種類、特徴】
真昆布(山出し昆布) | 上質な旨味と味の深さが持ち味 肉厚で幅も広めで昆布締めなどに使われている
澄んだ昆布だしが取れる 出汁、煮物、鍋料理など多くに活用されている 白板昆布に加工される やや値段が高め |
---|---|
利尻昆布(りしりこぶ) | 昆布の香りが高く、澄んだ昆布だしが取れる 懐石料理などのお椀の出汁で多く活用されている
昆布だしを取るのにやや時間がかかるが、上質な昆布だしを取る事が出来る 昆布締めにもよく活用される 真昆布に比べ昆布の香りは、控えめだが味わい深い上品な昆布だしが取れる |
羅臼昆布(らうすこぶ) | 昆布自体の旨味が豊富で昆布だしとして活用するのが好ましい
香り、味の深さがあり、昆布の中でも最も濃い昆布だしが取れる 黄褐色のややにごる昆布だしが取れる 昆布締めにも使うが、締める時間を気を付けないと昆布の香りが付きすぎる点は要注意 |
日高昆布(ひだかこぶ) | 昆布自体の繊維がやや柔らかく他の昆布より短時間で昆布だしが取る事が出来る
価格もリーズナブルな為、飲食店で多く活用されている 繊維が柔らかく、もどりやすい為、昆布巻き、佃煮、煮物にも多く利用されている 昆布締めにするとやや磯の香りが付きます 旨味は、真昆布、利尻昆布、羅臼昆布に比べ物足りなさを感じます |
長昆布(ながこぶ) | 6~15メートルと長い昆布の為その名が付いた
収穫量が多く佃煮、昆布巻きなどの加工品に多く活用されています |
厚葉昆布(あつばこぶ) | 昆布自体に厚みがあり昆布巻き、佃煮、酢昆布、白板昆布などに加工される |
---|---|
細目昆布(ほそめこぶ) | 幅が細く一年中収穫されている
切り口が白く細目の葉状 粘りが強く、とろろ昆布、刻み昆布などに加工されている |
かごめ昆布 | 表面が網状の凹凸がある
粘りが強く、松前漬けに活用されている とろろ昆布、おぼろ昆布、刻み昆布などに加工される |
海苔(のり)
良い海苔(のり)を生育する為には、様々な環境状態が必須です
川からの栄養成分を必要で、おだやかな湾内の浅瀬、海流、気温、水温、湿度、風向きなどの条件がそろって良い海苔(のり)が生まれます
海苔が初摘みされるのは、11月頃で、新海苔として販売されるのは、12月初旬になります
海苔(のり)の成分
海苔(のり)の成分としまして
- グルタミン酸⇒昆布の旨味成分
- イノシン酸⇒かつお節の旨味成分
- グアニル酸⇒どんこ(干しシイタケ)の旨味成分
などで様々な旨味成分が含まれているので、巻物なども好きな方が多数いるのも、うなずける食材です
板海苔のサイズ
板海苔のサイズは、一般的に縦21センチ、横19センチに統一されています
鮨店により板海苔のサイズが様々であるのは、海苔屋に頼んで使いやすくカットしている為です
【良い海苔(のり)の有名産地】
(佐賀県、福岡県、長崎県、熊本県の海域)
佐賀県産の海苔は、全国で1~2位の生産量をほこる産地
有明海海苔全体の生産量は、国内生産量の5割前後もある海苔生産量が盛んな地域です
【有明海苔の特徴】
磯の香りが豊かで、味わい深く、なめらかで食感で口どけが良く、色つやも良い
大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、香川県、徳島県、愛媛県、大分県
国産海苔生産量の3割をしめ、瀬戸内では兵庫県が一番の生産をほこる
【瀬戸内海苔の特徴】
存在感のある歯ざわりが最大の特徴で、海苔の繊維がしっかりしていて、硬めである
海苔がしっかりしている為、破れにくく、巻物にも使われるが、噛み切れにくい
伊勢湾⇒三重県鳥羽市の答志島と愛知県田原市の伊良湖岬を結んだ北側の湾で黒海苔の産地として有名どころ
三河湾⇒愛知県、知多半島と渥美半島に囲まれた湾で西三河、知多、東三河が有名産地
【伊勢湾、三河湾海苔の特徴】
「パリっ」とした歯触りと奥深い旨味、磯の香りが凝縮し、口どけが良く人気がある
江戸時代から1930年(昭和5年)位にかけて、品川区大森あたりで採れた江戸前海苔が最高級であったが、高度成長期を境に東京湾の汚染が進みほぼ消滅しました
そのなごりで大森では、今もなお海苔屋が多く存在しています
現在では、生産量わずかですが、千葉県市川市、木更津市、船橋市、富津市で養殖されています
【東京湾海苔の特徴】
色つや、旨味も良く香りも良い最高級品ではあるが、生産量が少なく、かなり貴重である
宮城県仙台湾は、親潮と黒潮がちょうど混じり合う海域で、栄養豊富な海域で生産されています
【仙台湾海苔の特徴】
歯切れが良く「パリっ」としていて、味も良い
山葵(わさび)
山葵(わさび)の産地
山葵(わさび)の産地として、静岡県、長野県、東京都、島根県、山梨県、岩手県、奈良県などです
その中でも有名産地は
- 静岡県有東木(うとうぎ)わさび
- 長野県安曇野(あづみの)わさび
- 島根県匹見(ひきみ)わさび
【山葵(わさび)の種類】
山葵の種類も様々ありますが、ここでいくつか紹介します
真妻(まずま) | 茎の色が紫色ですり卸すと粘り、辛さの中にあまみのも感じられる
苗付けから収穫まで約1年半~2年かかり、成長が遅い為、稀少価値がある為値段も高く取引される |
---|---|
実生(みしょう) | 茎の色が緑色で全体的に山葵全体が鮮やかな緑
味、香りは、やや薄目で水気がある |
飛河(ひゅうが) | 根茎が太く、鮮やかな緑色
すり卸すし直後は、辛味、苦味が強く、数分後には、おだやかな辛味、苦味になる |
天城にしき(あまぎにしき) | 茎は、紫色で粘りがあり、辛味と甘味のバランスが良い
繊維もきめ細かく、比較的に値段も高め |
正緑(まさみどり) | 育ちまで1年程度で早めに収穫できる
山葵全体が緑色の鮮やかさがある 爽やかさ、甘味があり、やや水気が感じられる 長野県穂高、静岡県安倍川で多く栽培されている |
ガリ
ガリに使う新ショウガは、繊維が柔らかくみずみずしさもあり5~6月に出回る時期に仕込みます
新ショウガの選び方として、先の部分の赤色が鮮やかで、その部分も茶色ぽくなっていないショウガ全体がみずみずしさがあり艶があるものを選んでください
① 下処理として、たわしでショウガを綺麗に汚れを落とし、変色している部分は包丁ではじきます
特に先が分かれている部分は包丁を使って、くり抜くように汚れを外します
ガリの仕上がりでややピンク色に仕上げたければ先端の赤色の部分を使い色を付けます
新ショウガは、皮が柔らかい為、皮つきのまま仕込んでいきます
店によっては、皮を薄くむく所もあります
② ショウガの繊維に沿って薄くスライスしていきます
薄く切るのが苦手であれば、スライサーを使い薄くスライスしてください
かたまりのままガリにする方法もあります
③ 大きめの鍋に湯を沸かしスライスしたショウガを1分ぐらい湯がきます
大きめの鍋が無い場合は、ショウガを入れる量を何回かに分けてショウガを少なめにして湯がきましょう
理由としては、食感、香りが重要で、適度に湯がく事が大切だからです
湯がけたら盆ざるなければ普通のざるに移し、気上げ(ざるに移し冷ます事)して、ショウガを広げ全体に少し塩をふり、なじませます
④ ショウガが冷めたら保存する為にビニール手袋を付け、ショウガを絞って水気を取ります
⑤ その後自分好みのガリ酢に付け2~3日なじませてから食べましょう