【自すし】とは、自宅で自ら作る鮨と言う意味を持つ、私が造った単語です
鮨、和食職人歴、約35年以上
食べるのも作るのも大好きで美味しく作れないかと
ミシュラン店や繁盛店を渡り歩き、現在も自分の技術を磨く事に精進する毎日です
そんな職人が今までの鮨に関する知識、情報を
鮨を通じて幸せになる方が多くなるように
お役立て出来ないかなと思い
勝手ながらブログを作ってみました
- ミシュラン鮨店や高級鮨店に食べに行きたいけどお値段的に高いから行けないな~と思う方
- 外国人の友達がいて、自宅に招待して寿司(鮨)を握ってあげたい方
- お父さんが家族へ美味しい鮨を握りたい方
- 友だちを呼んで鮨パーティーをしたい方
- 彼女を呼んで美味しい鮨を食べてもらって愛を深めたい♡方
- 友だちや知人にプレゼントとして鮨をあげたい方
- 自分が鮨を握る動画を撮りたい方
- 鮨に興味があり知識が知りたい方
- 自分の趣味として鮨を楽しんで握り美味しく食べたい方
など
魚三枚卸し
参考にしてみて下さい
寿司(鮨)で主に使う魚の種類
寿司(鮨)で使う魚の種類は、多数あります
その店ごとに使う魚は、様々でありますが、私の経験から寿司(鮨)で主に使う魚をご紹介します
鮪(マグロ)
鮨を握るのにマグロは、切っても切り離せない重要な存在です
シャリを作るのに、まずマグロを中心として酢加減、塩加減、酢の種類、味のバランスなど考える鮨店も多くある位です
コースで提供する時もマグロをより美味しく握るかが重要なカギです
勿論そのほかのネタも重要である事は、間違えないですがそれ程、重きを置く存在なのです
ざっとですがマグロの一部の種類を紹介します
本鮪
クロマグロの事で、鮪の中で最も高級品である事は、勿論みなさんご存じでしょう
日本近海、北太平洋、大西洋で主に漁獲され、産地、魚体、季節などにより1本数千万など破格の金額が付く【黒いダイヤ】とも呼ばれています
もちろん鮨屋でも1本買いは、なかなか出来ない代物です
市場で必要な分だけ選んでも、その部位により、かなりの高価で、目利きが重要です
高級鮨店は、本マグロを扱っている店が多くあります
自宅で鮨を握りたい方々には、柵どりしたマグロを必要な分だけ購入をおすすめします
柵どりしているマグロを購入したらフレッシュマスター(保鮮シート)で包みラップをして冷蔵庫で保存しておきましょう
天然物は、脂の質感がひつこくなく、身の旨味も深く香り、舌触りも抜群です
やはり養殖物と違いがはっきりしています
デメリットとしましては、かなり高価な為、予算に余裕がある方、天然本マグロに興味がある方、どうしても天然マグロを食べたい方などにおすすめしたいと思っています
天然マグロを購入する時は、目利きが必須ですので、鮪屋が信頼出来る所で購入してみて下さい
近年、養殖物マグロも多く市場に出回り、スーパーでもよく見かけます
脂の乗りは、一年中あり天然マグロに比べ購入しやすい金額の為、初心者の方におすすめです
しかし天然マグロに比べ、脂質が多く酸化しやすく、変色、味が急激に落ちるなどデメリットがあります
選ぶポイントは、色目が鮮やかな物で、筋目があまりない物を選ぶ事
めじ鮪
めじ鮪は、本マグロの幼魚の事で、20キロ以下の小型の物
さっぱりとした脂のりで、もっちり食感が特徴
メジマグロは、幼魚の為、皮が柔らかいので藁焼きでタタキにして鮨ネタ、つまみで提供するとより美味いです
皮目のうまさと藁の香りが相まってメジマグロの美味さを引き立たせます
自宅で藁を使う事は、難しいかも知れませんが飲食店で焼くことは可能ですので一度試みて食べてみて下さい
勿論コンロやガスバーナーでタタキにしても美味しく食べる事も出来ますし、皮を引いて鮨ネタ、刺身にしても美味しく召し上がれます
インド鮪
ミナミマグロの事で、本マグロに次ぐ人気な高級マグロです
インド鮪のねっとりした深みある脂と旨味が濃く甘味があります
インド鮪も天然物と養殖物とあります
養殖物は、本マグロと同様です
バチ鮪
メバチマグロの事で、色鮮やかで、あっさりとした旨味が特徴です
鰹(カツオ)
鰹は、春先から秋口まで使う人気の鮨ネタです
春先は、脂の乗りは、あまりないですが初かつお(春の鰹)として使う鮨屋が多くあります
初鰹
初かつおは、かつおの渋み、酸味がほど良く、あっさりとした旨味です
皮を引くやり方と皮を引かずタタキにして提供するやり方とあり、自分の好みによって仕事を変える
薬味として「生姜」「あたりネギ」「行者ニンニク醤油漬け」「新玉ねぎおろし醤油」などをバリエーションをかえて提供するとより一層美味しく召し上がれます
自宅では、藁焼きは、出来ないと思いますが、藁で焼くことで風味付き、とても味わい深く姿を変えます
もどり鰹(秋かつお)
脂が乗って、味が深くなります
味が深くなる分、煮切り醤油に少したまり醤油を入れた煮切りを付けるのも合います
薬味を付けてより一層美味しくなり、春の顔と秋の顔を持つ人気の鮨ネタです
鰹は、1本買いだと自宅では、捌くのも大変ですし食べきれないので、柵どりした血合いの色目がよく、見割れしていない物を選びましょう
真鯛(マダイ)
鮨ネタで、代表する白身魚の真鯛
冬から春にかけて旬を迎え、3月から4月にかけてより一層美味しくなる
選ぶポイントとしては、全体に身が厚いもので、勿論鮮度が良い物で2~3キロぐらいのもが好ましい
1本買いの場合は、バラ引きでうろこを取り、頭を落とし腹を開き、内臓、血合いを取り除く作業を業界用語で水洗いと省略して言っています
水洗いが終わったら、しっかり水気をふき取り3枚に卸す
皮を引いて鮨ネタにするのと、皮を付けたまま鮨ネタにするのとあります
- 三枚に卸した真鯛をガン腹(腹骨)を外し、血合い骨に沿って切り骨を外し柵どりする
- 柵どりした身の皮を引く
- 盆ざるに塩を当て柵どりした身を乗せ、両面に塩を当てる(身の薄い部分は、塩を少なめに振り塩加減を調節する)
- 脂の乗り、身の厚さなど様々な為、塩の当て時間が異なるが、10分~15分位が目安
- 氷水に身を入れ表面の塩を洗い、水気を取る
- フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパーで一柵ずつ包んでラップで包み冷蔵庫で保存する
身の状態により様々ですが、保存して寝かせる時間は、異なり最低でも1日以上寝かせてから提供する(身の繊維が柔らかくなり、旨味成分のイノシン酸が多くなる為です)
- 三枚に卸した真鯛のガン腹のつけ根の骨に沿って浅く切れ目を入れる
- 血合い骨に沿って皮を切らない位に切れ目を入れる
- 盆ざるに塩を当て、三枚に卸した皮付きの身を分ざるに乗せ、身の方にも塩を当てる(身の薄い部分は、塩を控えめに当てる事)
- 10分~15分が目安
- その後冷たい水で軽く洗い、盆ざるの裏側に皮目を上に乗せキッチンペーパーで全体をかぶせます
- 沸騰したお湯に少し水を入れ80度ぐらいまで温度を落としキッチンペーパーの上からお湯をかけます
- その時シッポの部分は、やや多くお湯をかけます(シッポは、身の繊維が強い為、お湯を少し多めにかけ繊維を柔らかくする)
- 楊枝で皮を少し差しスッと通れば氷水に落とし冷ます
- 冷めたら盆ざるに上げ、ペーパータオルでしっかり水気を取り除き、まな板に皮目を下にして置きます
- 先程付けておいたガン腹を包丁で外し、切れ目を入れておいた血合い骨も外し柵どりにします
- 再びペーパータオルで余計な水気を取り、フレッシュマスター(保鮮シート)、ラップで包み冷蔵庫で1日以上寝かせる
柵どりした真鯛を購入する場合も同様に下処理して冷蔵庫で寝かせる
平目(ヒラメ)
1枚で購入する場合、身厚い目もので、身の部分、腹の部分がしっかりしているものを選んで見て下さい
平目は、バラ引き(うろこ引き)では、うろこが取れない為、すき引きという技術を使います
すき引きは、うろこと皮の間に包丁を入れ、うろこだけを外すやり方です
慣れていないと身の方までえぐってしまうので、初心者の方は、おすすめしません
せっかく買ってきた平目に傷がついてしまうからです
なので初心者におすすめな方法があります
金たわしを使ってうろこを取ると綺麗に取り除く事が出来るのでおすすめします
- うろこを取り除く
- うろこが取れたら頭を落とし内臓、血合いを綺麗に取り除く(血合いを綺麗にする場合は、歯ブラシを使って洗うと綺麗に取れる)
- 5枚おろしにして、ガン腹、縁側を外し、柵どりして、身と縁側の皮を引いていきます
- 盆ざるに塩を軽く当て、柵どりしたほらめを並べ上から塩を当てる(身の薄めの部分は、塩を少なめにする事)
- 身の状態で塩の当て時間は、様々ですが10分~15分位が目安
- 時間がたったら冷たい水で2回位洗い盆ざるに乗せペーパータオルでしっかりと水気を取りフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパーで包んでラップで包み冷蔵庫で1日以上寝かせる
柵どりした平目を購入する場合も同様に下処理して冷蔵庫で寝かせる
クエ
クエは、寝かせてより美味しくなる魚です
しかし大型魚な為1本買いは、消費させるのが大変なので、出来れば柵どりした状態で使える量で購入する事をおすすめします
鮮度が良く身質がまだ硬い状態であれば、皮を引かず柵どりした身に塩を当て15分~20分位置き、冷水で洗い流す
ペーパータオルでしっかりと水気を切りフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパーで包みラップして冷蔵庫で2~3日位置く
毎日キッチンペーパーを包み直す事
2~3日後に身の状態を見て少し身が柔らかくなり、少し食べてみて、ややねっとり感、旨味が出てきていれば鮨ネタとして使えるようになります
鮮度、身質により寝かせる期間が様々なので、10日間、20日間など寝かせる店もありますが、知識、技術が必須な為、2~3日位で試みると良いでしょう
ハタ
ハタと言ってもハタの種類は数多くあります
代表的なハタの種類としては、
真はた、赤はた、あずきはた、黄はた(青はた)、きじはた、おおもんはた
など
うろこが細かい為、すき引きでうろこを取ります
初心者の方は、金たわしを使い、うろこを取り、その後包丁で残りのうろこを取り除きましょう
ハタの下処理
- うろこを取り除く(すき引きや金たわしなどで処理する)
- 頭を落とし肛門から逆包丁で腹を開く(逆包丁とは、包丁の歯を逆にして押しながら切る方法で内臓を傷つけない為)
- 内臓、血合いを取り除く
- 残っている血合いを水洗いしながら歯ブラシで綺麗に取り除く
- しっかりと水気を取り、三枚に卸す
- ガン腹を外し、血合い骨に沿って柵どりする
- 皮を引き、盆ざるに塩を当て、柵どりしたはたを並べ塩を当てる(身の薄い部分は、塩を少なめにする事)
- 10分から15分位置き、ボールに冷水を貯め、身の表面に水滴が出てきたら冷水で2回位洗う
- 盆ざるに身を上げ水気を切り、その後ペーパータオルでしっかりと拭き取る
- フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパーでしっかりと包みラップをして冷蔵庫保存する(身の状態により冷蔵庫で寝かせる時間は様々ですが、最低でも2日は寝かせから使う)
- はたは、他の魚より身の組織がしっかりしている為、寝かせる時間をかけて身の繊維を柔らかくして、旨味成分を引き出す事
アカムツ(ノドクロ)
ノドクロ(アカムツ)は、人気の高い高級魚です
1本で購入する場合は、かなりの金額になります
ノドクロは、卸して柵どりしている売り方は、どの魚屋でもしてないと思います
1本買いで購入する時は、目の澄んだ物、魚体の表面に光沢があり、えらが赤く鮮やかな物、腹がしっかりしている物を選びましょう
知っておいて頂きたい事で、のどくろは、身がやわらかく、身割れしやすい魚で片手で持ったりしない、身を丁寧に扱い、包丁の切れ味を良くしておく事
ノドクロの下処理
- うろこをバラ引きで取る場合、身を押さないように力を入れずにうろこだけを取るようにして下さい(うろこは、取れやすい魚なので丁寧に扱う事)
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- 残った血合いを歯ブラシで綺麗に取り除く
- キッチンペーパーでしっかりと水気を取るのですが、その時もなでるように拭き取る事
- 切れる包丁で3枚に卸すのですが、身を持つ時も一度包丁を置いて両手で扱うようにして下さい
- ガン腹をはずし血合い骨を骨抜きで抜く(骨を抜く時も慎重に丁寧に扱う事)
- 皮を引かないで盆ざるに塩を当て、皮目を下にして、のどくろの半身を両手で乗せ、身の面にも塩を当てる
- 5分~10分位したらボールに、のどくろを優しく手に取り洗う
- 盆ざるに上げペーパータオルで優しく水気を取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み冷蔵庫で半日~1日寝かせる
鰈(カレイ)
カレイは、種類が多数ありますが、鮨ネタにするカレイ類の代表的な物は、星カレイ、真子カレイ、松川カレイなど使われています
特に星カレイ、松川カレイは、味が高く評価されている高級魚の為、高級鮨店、高級懐石料理屋などで人気がありります
星カレイや松川カレイは、町の魚屋、スーパーでは、お目に掛からない代物で、市場でないと購入が非常に難しく市場でも入荷が無い時もあるブランドカレイです
自宅でカレイの握りをどうしても食べたい方は、真子カレイを使う事をおすすめします
カレイの選び方としては、活魚、活〆である事、肉厚である事、触って弾力があり硬めの物、表面に光沢がある物を選んで見て下さい
カレイの下処理
- カレイの表面にぬめりがあるので、たわしでこすり水で洗い流し水気を取る
- うろこをすき引きする(初心者の方は、金たわしでこすりうろこを取り除く)
- 頭を落とし内臓、血合いを掃除する
- 水気をふき取り、5枚おろしにする(縁側がしっかり残るようにする)
- 5枚に卸したらガン腹を外し、縁側を切り取り、柵にする
- 柵どりした身と縁側の皮を引く
- 盆ざるに塩を当てカレイの柵を置き、表面にも塩を当てる(身の薄い部分は、塩を薄めに振る事)
- 10分~15分置き、冷水で洗い流す
- ペーパータオルでしっかり水気を取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み冷蔵庫で保存する
- 最低でも1日以上置く事
縁側に沿って切れ目を入れるのですが、包丁の角度付けて切り込みを入れ、しっかりと縁側の厚みを確保しながら卸す事
白鱚(シロキス)
夏に使われる魚で繊細の身質で上品な甘み、旨味を持つ白キス
鮮度が落ちるのが早く目利きが重要です
昆布締め、酢締めなど江戸前鮨の夏場の代表的なネタの一つです
シロキスの目利き
- 腹がしっかりしていて硬い物
- 内臓が出ている物は、NG
- 目が澄んでいる物
- 表面に光沢がある物
シロギスの下処理
- 目利きをしたシロギスをボールに移し、立塩氷を入れ鮮度が落ちないようにする
- 1本ずつ立塩氷から取り出し、うろこを包丁又はバラ引きで取る
- かま下(身の方にかまを付けない切り方)から頭を落とす
- 腹は、開かないで包丁の先又は、竹串、箸などで内臓を引き出す
- サイズが合えば歯ブラシで内臓、血合いを綺麗に取り除き、立塩氷に付ける
- シロギスは、背開きに開く(出来なければ3枚卸しでも良い)
- ガン腹を包丁で外し、血合い骨を骨抜き(こつあたり)で抜く
- 盆ざるに塩を軽めに当て卸した白キスを皮目を下にして並べ、身の方にも軽めに当て塩をする
- 3分位で冷水で洗い、水気を切る(身の厚さ、大きさにより当て塩時間を変える)
- ここまでの下処理はしておく事
【白キスの皮目】
①湯引きする場合(皮目が柔らかく食べやすい)
■酢締め
■昆布締め
②湯引きしない場合
があります
①皮目を湯引きして ■酢締めの場合
- 盆ざるを裏返しに使い、丸い部分に皮目を上にした白キスを乗せ上からキッチンペーパーでかぶせ75度~80度位のお湯を皮目にサッとかけ、氷水に白キスを漬ける
- しっかり白キスを冷やしたら、水気を切る
- 酢締めする場合は、割り酢を作っておく(白キスは、身が薄いので、割り酢にすると酢がおだやかに入り締め過ぎずに保てる為)
- 冷蔵庫で使う酢(赤酢、米酢、穀物酢など)と水と同割に昆布少々入れを
- 冷やしておく(割り酢)
- 湯引きした白キスを冷やした割り酢で一枚ずつサッとくぐらせ酢洗いする
- ざるに上げフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパーをバットに引いて、白キスの皮目を上にして並べバットをラップして冷蔵庫で10分ほど置く(臭みを取り除く為)
- その後、割り酢(酢と水同割、昆布少々)に1分程度漬ける(身の表面が白くなったのを目安と好みの酢加減で調節する)
- ボールとボールに入るざるをかさねて用意しておく(ボールの底にペーパータオルをかさねて敷いて置き、上にざるをかさねる)
- 白キスを酢から引き上げ、ざるの横側に張り付けるようにして、皮目を上にして白キスを並べ余分な酢を切っていく(底に敷いたペーパータオルが余分な酢を吸ってくれる為、敷いておく事)
- ボウルの上からラップをして最低でも半日~1日冷蔵庫で寝かせ塩、酢をなじませ白キスの旨味を引き出す
①皮目を湯引きして ■昆布締めにする場合
- 昆布締めの昆布は、利尻昆布又は、真昆布が良いでしょう
- 昆布の香りがおだやかに仕上げたい場合は、白板昆布、おぼろ昆布を使うのも美味しくなります
- 利尻昆布、真昆布は、バットに入る大きさにハサミで切り、酒と水の同割した物を昆布に掛け、昆布をなじませて、ややしっとりさせて置く(昆布を戻すと言う)
- 盆ざるを裏返しに使い、丸い部分に皮目を上にした白キスを乗せ上からキッチンペーパーでかぶせ75度~80度位のお湯を皮目にサッとかけ、氷水に白キスを漬ける
- しっかり白キスを冷やしたら、水気を切る
- 戻した昆布に身の方を下にして昆布に乗せ、上から密着させるようにラップをする
- 半日位寝かせ昆布の旨味が付いたら昆布をはがし、ラップで空気を抜き保存する
皮目の方にも昆布で挟んでしまうと皮目と昆布がくっついてしまい、湯引きした皮目がはがれてしまう
皮目を湯引きしないで酢締めする場合
- 割り酢を作る
- 酢(赤酢、米酢、穀物酢など)と水と同割に昆布少々入れを冷蔵庫で冷やしておく(割り酢)
- 卸して血合い骨を抜いた白キスを皮目同士くっつけて、冷やした割り酢で一枚ずつサッとくぐらせ酢洗いする
- ざるに上げキッチンペーパーをバットに引いて、白キスを並べ冷蔵庫で10分ほど置く(臭みを取り除く為)
- その後、皮目をくっつけている白キスを割り酢(酢と水同割)に1分~2分程度漬ける(身の表面が白くなったのを目安と好みの酢加減で調節する)
- ボールとボールに入るざるをかさねて用意しておく(ボールの底にペーパータオルをかさねて敷いて置き、上にざるをかさねる)
- 白キスを酢から引き上げ、ざるの横側に張り付けるようにして白キスを並べ余分な酢を切っていく(底に敷いたペーパータオルが余分な酢を吸ってくれる為、敷いておく事)
- ボウルの上からラップをして最低でも半日~1日冷蔵庫で寝かせ塩、酢をなじませ白キスの旨味を引き出す
春子鯛(カスゴダイ)
カスゴダイとは、マダイの稚魚の事で、春先に出回り始めます
カスゴダイという魚の種類ではなく、桜の色をした手のひら位(10㎝~15㎝)の大きさの稚魚の総称であり、現在では、マダイ、チダイ、キダイなどの稚魚をひっくるめて呼びます
カスゴダイの目利き
- 身に厚みがあり丸みがある物
- 身に張りがありピンク色が鮮やかな物
- エラが赤く鮮やかな物
- 10㎝位の大きさの物は、握りに使いやすい
- 目が澄んでいて張りがある
カスゴダイの下処理
- カスゴダイは、身がやわらかいので、扱いは、慎重に行う事
- ボール又は、容器を3つ用意しておく
- ボールに3%の塩水を多く作って冷やしておく(ビニール袋に氷を入れしばり、塩水に入れて冷やして置く)
- 塩水は、3回に分けるので、ボールに三分の一の冷たい塩水を入れて置く
- カスゴダイのうろこをうろこ引きである程度取り、その後まな板に乗せ包丁で丁寧に手早く残りのうろこを取り除く
- 頭を落とし、腹は開かず包丁の刃先で、身を傷つけないように内臓を取り除く
- 用意しておいた塩水に入れて置き、次のカスゴダイを同じ工程で処理して塩水に入れて置く(購入した枚数を同じ工程で繰り返し処理していく)
- 血合いを歯ブラシを使い洗い流し取り除き、三分の一の綺麗な冷たい塩水に入れる
- この工程を繰り返し作業を進める
- タオルを用意して、頭を落としたカスゴダイを一本取り出しタオルで水気を取り除く
- 頭側を右で手前が背のなるように置き、背びれに沿って浅めに包丁目を入れる
- 背骨に当たるまで慎重におろし、腹骨のつけ根を断ち切る時は、包丁を少し立てて角度を付け断ち切る
- そのまま骨に沿って、腹びれのギリギリ手前まで切り進めて身を開いていく
- 開いた面を下にして頭側を左にして、おろしていない身側を手前に置く
- シッポ側から背びれに沿って浅く包丁目を入れる
- 中骨までおろし、頭側から中骨に沿って腹骨のつけ根を押すように断ち切りる
- 中骨を越えるように包丁角度を変えて骨に沿って切り進める
- 尻びれのギリギリまでおろし、身を開き皮目を重ねてから、尻びれのつけ根を切って骨と身と切り離す
- 又は、身を開き皮目を重ねて、骨身を包丁のあご(包丁の一番手前の角の部分)で押さえながら骨身を引き抜くと尻びれごと取り外す事が出来る
- 背開きが出来たら、両方のガン腹を包丁で薄くそぎ取る
- 盆ざるを水で濡らし、当て塩をして背開きにしたカスゴダイを皮目をしたにして重ならないように広げて置く
- 身側に当て塩を適度に振り、15分~20分位置く(大きさ、身の厚さにより塩の当て時間が異なります)
- ボールに冷水を貯めカスゴダイを入れさっと塩を洗う
- これを3回繰り返し洗う
- 盆ざるに乗せ水気を切り、その後ペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
- 身割れを気を付けながら血合い骨を骨抜きでぬく
カスゴダイの締め方いろいろ
- 酢締め
- 昆布締め
- 湯引き
- 桜の葉締め
■酢締め
- 皮目を重ね合わせ冷やして置いた酢に漬ける(酢は、米酢、赤酢、醸造酢など)
- カスゴダイの身の厚さにより様々ですが、身の表面が白くなってくる5分~7分位を目安に漬ける
- ザルに上げ、皮目を重ねたままキッチンペーパーの上に置き、冷蔵庫で2日寝かせる
■昆布締め
- ペーパータオルを濡らした後、バットの長さに切った昆布(利尻昆布、真昆布)の表面を軽く拭き、バットに入れ、水と酒少々注ぎ昆布を戻す(昆布水分で戻る位の少しの量)
- 昆布が戻ったら昆布を伸ばして広げ、身の方を下にして置く
- 表面に落としラップをして空気を抜き冷蔵庫で2~3時間寝かせる
■湯引き
- 開いたカスゴダイを盆ざるの裏側の丸い部分又はまな板に皮目を上に置き、少し斜め立てかける
- 皮目の表面にキッチンペーパーをかぶせ80度位の湯を掛け、すぐに氷水に落とす
- しっかり冷ましたらザルに引き上げペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
- バットにキッチンペーパーを引き、身を開いた状態で身を下にして、置き冷蔵庫で30分程寝かせる
■桜の葉締め
- 上記の湯引きまで、作業したら、塩漬けの桜の葉をやや塩気がある状態まで水で戻し、身の方に桜の葉を付けて冷蔵庫で1日寝かせる
- 握る際、開いた身を半分に切り、皮目に切れ目を入れ握る
鰆(サワラ)
サワラは、体調60㎝以上のもので、40㎝~50㎝の小型魚は、サゴシと呼ばれています
鮨屋で使うのであれば、サワラを使いたいところですが、自宅で鮨を握るネタとしては、サゴシ小型で良いかと思います
サワラ、サゴシの目利きとしては、身が硬くしっかりしている物、お腹部分が特にしっかりしている物、目が澄んでいる物、エラが赤く鮮やかな物、魚体に光沢があり艶がある物を選んでください
特に大型なサワラは、身がデリケートな為、必ず両手で持つ事、身割れしやすく扱いは慎重にする事
特に卸す時は、慎重に包丁の切れ味で卸していく事(力で無理やりに卸すと身割れする原因なる為)
サワラ下処理
- サワラ、サゴシのうろこを包丁で取るのですが、あまり身の方に押し付けてしまうと身割れする為やや軽めにうろこを落とす
- エラを外し腹を開き、内臓、血合いを取り除き、頭を落とす
- 水洗いしながら歯ブラシで残っている血合いを洗い流す
- まな板にキッチンペーパーを引き、洗ったサゴシを必ず両手で持ち、まな板に乗せ水気を切る
- 三枚に卸す(力で卸しては、身割れするので、身に負担をかけずに包丁の切れ味で卸す事)
- 卸したら血合いに沿って切り付け血合い骨を外し柵どりにする
- サワラ、サゴシは、皮目を炙るとより美味しくなるため、皮を引かずに軽く塩を10分位当てる
- 軽く水洗いしてペーパータオルで水気を取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み冷蔵庫で1日寝かせる
- 寝かせた後、皮つきのまま鮨ネタを切り付け、皮目をバーナーで焼霜(皮目を炙る事)し、鮨を握る
■昆布締めも美味しい
- 昆布締めの昆布は、利尻昆布又は、真昆布が良いでしょう
- 昆布の香りがおだやかにしたい場合は、白板昆布、おぼろ昆布を使って昆布締めにしても美味しいです
- 利尻昆布、真昆布は、バットに入る大きさにハサミで切り、酒と水の同割した物を昆布に掛け、昆布をなじませて、ややしっとりさせて置く(昆布を戻すと言う)
- 昆布をサゴシの柵どりした幅に切って、昆布を戻し、上に身の面を置き、ラップして1日寝かせて昆布締めにしてもより美味しくなります
キンキ
キンキは、釣キンキと網キンキと漁の仕方で値段が変動してしまいます
どんな魚でも釣ものは、値段が高いが物が良いです
釣キンキを購入した方がより美味しく鮨にする事が出来ます
キンキは、頭の部分にトゲがあり頭を持って、うろこを取る時は、手を気を付ける事
慣れない方は、軍手を両手にして、うろこを取る事をおすすめします
キンキの下処理
- まずうろこを取り除き頭を落とします
- 腹を開き、内臓を取り除く(肝を使う場合は、湯に酒、少々塩を入れ湯がき、気上げ(湯がいてザルに上げ冷ます事)する
- 水洗いして血合いを綺麗に歯ブラシで取り除く
- ペーパータオルで水気をしっかり拭き取り三枚に卸す
- 盆ざるに塩を振り、皮目を下にして、キンキを並べ身の方にも塩を当てる
- 10分~15分位置き、冷水で洗いザルに上げ水気を取る
- 皮目を焼霜(皮を炙る)又は、湯引き(皮に湯をかける)か、どちらで握るかによって下処理が変ります
焼霜の場合
- ガン腹を取り除き、血合い骨を骨抜きで抜く
- ペーパータオルでしっかりと水気を取りフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み1日位寝かせる
- 肝もキッチンペーパーで包んでラップして保存する
- 鮨ネタは、皮つきで切り付け皮目をバーナーであぶり握る
肝を包丁で良く叩き少し味噌又は煮切り醤油を入れて混ぜて握ったキンキの上に乗せる
玉ねぎ醤油で食べさせても美味しい
湯引きの場合
- ガン腹を取らずにフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み1日位寝かせる
- 鮨を握る10分前位に盆ざるの丸い面に皮目を上にしてクッキングペーパーを上からかぶし80度位の湯を掛け冷水に落とす
- しっかり冷ましたらザルに上げ、ペーパータオルでしっかりと水気を取る
- ガン腹を外し血合い骨を抜き、皮目を下にして、皮目をしっかりと切付けて鮨ネタにする
- 肝を乗せて、より美味しくなる
キンキの皮目を湯引きする場合は、冷蔵庫で保管してしまうと皮目が締まり硬くなり美味しさが半減してしまう為、おすすめは、握る直前に湯引きする事
湯引きしたキンキを鮨ネタに切り付ける時、キンキは、皮目がしっかりしているので、包丁の切れ味をきかせ、しっかりと切る事
金目鯛(キンメダイ)
金目鯛の目利き
- 魚体全体に対して頭がやや小さく見える物
- 目が澄んでいる物
- 身にハリがあり身が肉厚な物
- うろこが赤く鮮やかな物
- 魚体に光沢があり、赤く艶がある物
など挙げられます
12月~2月頃と5月~6月の産卵期前の時期が美味しく食べられます
金目の下処理
- 金目のうろこをうろこ引きで取り除く
- 頭を落とし、腹を開き内臓を取り除く
- 残った血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- しっかりと水気を取り三枚に卸す
- 三枚に卸した身のガン腹を外さずに盆ざるで両面、塩を当てる
- 10分~15分置き、冷水で水洗いする
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包む
- 冷蔵庫で1日から2日寝かせる
金目鯛を鮨ネタにするには、焼霜又は、湯引きで皮目の旨味を引き出すと美味い
焼霜の場合
- ガン腹を外し血合い骨を抜き、皮目を下にして皮目も切り付け、耐熱用の陶器や鉄板に乗せ、皮目の部分をバーナーであぶる
- 金目をあぶったら脂乗りが良い物は、脂が、にじみ出てくるので、ペーパータオルで押さえて拭き取る(脂が表面にあり過ぎるとシャリがまとまりづらく握れない為)
- やや温かい状態で鮨を握る
湯引きの場合
- 三枚に卸したガン腹付きの身を盆ざるの裏側の丸い部分に皮目を上にして乗せ、キッチンペーパーをかぶせる
- 80度位の湯を掛けて、氷水に落とし、しっかり冷ます
- ザルに上げペーパータオルでしっかりと水気を取る
- ガン腹を外し血合い骨を抜き、身の方を下にしてキッチンペーパーに置き、冷蔵庫で30分~1時間位寝かせ皮目を落ち着かせる(キッチンペーパーで包んでしまうと皮から出るゼラチン成分がくっつき剥がれなくなる為)
- 冷蔵庫で皮目がしっかりと冷えたらフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み1日位冷蔵庫で寝かせる
- 皮目を下にして包丁の切れ味を利かせ鮨ネタに切り付ける
金目鯛は、皮のソリを防止する為、ガン腹を付けて湯引きをする
湯引きする時は、湯を掛け過ぎないようにする事
金目鯛は、皮が薄い為、ネタの切り付けの際は、身から皮が剥がれてしまう恐れがあるので慎重に切り付ける事
甘鯛(アマダイ)
甘鯛は、高級魚の中で代表する魚で、繊細な甘みと旨味、品の良い脂の乗り、なめらかな食感に優れているとても美味しい白身魚です
甘鯛が流通している種類としては、赤甘鯛、白甘鯛、黄甘鯛とあります
一般に甘鯛と言われているものとしては、赤甘鯛の事を指します
甘鯛は、市場での取引は、高値で、特に大きいサイズは、一キロ1万円前後で売買されています
白甘鯛(別名シラカワ)も同様に超高級魚になり、高級料亭などで使われることが多く、なかなか一般家庭では、買えない代物です
自宅で甘鯛を鮨で握るであれば、お手軽価格の鮮度が良い小型の甘鯛(小甘鯛)をおすすめします
甘鯛の目利き
- 目が澄んでいて張りがある物
- エラが赤く鮮やかな物
- 魚体が光沢のある鮮やかなピンク色の物
- 身が硬く張りがあり、特に腹の部分が硬くしっかりしている物
甘鯛の下処理
- 甘鯛のうろこをすき引き(うろこを包丁ですいて外していく事)にする
- すき引きが出来なければ、うろこ引きでも構いません
- 頭を落とし、腹を開き内臓を取り除く
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、3枚におろす(甘鯛は、骨が硬いので、気を付けておろす事)
- ガン腹を包丁で外し、血合い骨を抜く(血合い骨も抜きにくいので、血合い骨に沿って包丁で柵どりしても良い)
私的には、甘鯛の皮を一緒に食べさせるのであれば、つまみ(刺身)で松皮造りで提供する(うろこ引きで取り除く)
甘鯛を鮨で握る時は、個人的に皮なしで握った方が美味いと思うので、皮目なしで鮨を握る説明を進めて行きます
アマダイの皮を引く場合
- 柵どりした甘鯛の皮を引いて、両面に当て塩をして小さければ5分程度置く
- 冷水で洗い流し、ペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
- フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み冷蔵庫で1日~2日位寝かせる
昆布締めにする場合
- 柵どりした甘鯛に薄めに当て塩をして、戻した昆布(利尻昆布か真昆布)で甘鯛をはさみラップをして空気を抜いて包み冷蔵庫で1日~2日位寝かせて昆布の旨味をなじませる
クロムツ
黒ムツの旬は、秋から冬で、白身ではあるが脂があり美味い
血合いも鮮やかな赤で、皮を引いて鮨ネタとしても良いし、皮つきので切り付けて皮目をバーナーで炙り鮨ネタとしても良い
クロムツの目利き
- 身に張りがある物
- 目が澄んでいてエラが赤く鮮やかな物
- 腹の部分がしっかりしている物
- 黒光りして光沢がある物
- 魚体全体を見て、顔がやや小さく見える物
自宅で1本購入するのは、少々大きいですが、小型だと脂乗りがあまりないので、出来れば大きめを購入する事を勧めたい
半身だけ鮨ネタに使い、残りを焼物や煮付けにするのも良いと思います
クロムツの下処理
- うろこをバラ引き(うろこ引き)で取り除く
- ※黒ムツは、歯が非常に鋭く、指を引っ掛けないように気を付ける事
- 頭を落とし腹を開き内臓を取る
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗いながら取り除く
- しっかりと水気を取り、三枚に卸す
- ガン腹を外し、血合い骨を骨抜きで抜く
- 盆ざるを濡らし塩をして皮目を下に置き、身の方も塩を振る
- 10分~15分位置き、その後、冷水で洗う(脂が乗っている物は、塩当て時間は20分位置いても良い)
- ペーパータオルでしっかりと水気を取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包んで1日位寝かせる
- 皮目を引かない事で、焼霜でも対応できるようにする
- 自宅で鮨を握る場合は、皮を引いたネタと皮を焼霜したネタと交互にあってもより楽しめる事が出来る
魳(カマス)
カマスの旬は、10月~12月と3月~4月の年2回あります
白身でも繊細な旨味で脂もほど良くとても美味しい白身魚です
しかし鮮度がすぐに落ちてしまう欠点があり、身質もすぐに柔らかくなり目利きが重要です
カマスの目利き
- 目が澄んでいる物
- エラが赤く鮮やかな物
- 光沢があり、身に張りがありしっかりしている物
- 身がふっくら太い物
- うろこもしっかりと付いている物
自宅で鮨ネタとするには、おすすめの白身魚ですが、鮮度が特に重要である為、信頼のおける鮮魚店での購入をおすすめします
カマスは、身がデリケートな為、調理過程での扱いは、慎重にして下さい(身割れしやすい為)
カマスの下処理
- カマスのうろこをうろこ引き(バラ引き)で取り除く
- ※カマスは、歯が鋭い為、指を引っ掛けないように気を付ける事
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気を取り除く(身が柔らかい為押さえつけないように水気をふき取る)
- 三枚に卸し、ガン腹を外さずに盆ざるを使って両面薄めに当て塩をする
- 5分位置き、冷水で洗い流す
湯引きする場合
- 盆ざるの裏の丸い部分にカマスを皮目を上にして、キッチンペーパーをかぶせ、80度位の湯を掛け皮目を湯引きする
- すぐに氷水に落とし身が冷めるまで置く
- 冷めたらザルに上げペーパータオルでしっかりと水気を取る
- ガン腹を包丁で外し血合い骨を取る
- キッチンペーパーを厚めに置きカマスの皮目を上にして冷蔵庫で30分位冷やす
- しっかり冷えたらカマスの身の部分が上下に来るように皮目と皮目をかさねて、キッチンペーパー、ラップで包み1日位冷蔵庫で寝かせる
- 鮨を握る際は、カマスを鮨ネタに切り付けて、常温になる位まで置いて、握る
湯引きした皮目が常温になるとゼラチン質が緩まり、食べた時に口どけが良く美味しく食べられる
焼霜する場合
- 塩を当てて水洗いしたカマスをペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
- ガン腹を包丁で外し血合い骨を抜きフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み1日位冷蔵庫で寝かせる
- 鮨ネタを切り付け、皮目をバーナーであぶり、キッチンペーパーで脂分を軽く押さえてから鮨を握る
あぶって出た脂分をふき取らないとシャリが、脂と混ざりシャリがまとまらなくなり、味が落ちる
ホウボウ
ホウボウの旬は、12月~2月位が脂が乗っていて、美味しい時期です
しかし3月~6月頃は、産卵期の為、身がやせてしまうので美味しくありません
形は、グロテスクですが、ほど良い脂乗りと白身の淡泊な旨味を兼ね備えた白身魚です
昔は、鮨ネタの白身には、あまり使われず、下魚(げさかな)扱いでしたが、近年鮨ネタとして使われる処が多くなり、価格も上昇してきています
ホウボウの目利き
- 光沢があり、体表が赤色で鮮やかな物
- 目が澄んでいて、うろこがしっかりと付いている物
- エラが赤く色鮮やかな物
- 魚体全体にぬめりがある物(鮮度が落ちるとぬめりが剥がれる為)
ホウボウは、柵では、あまり売っていない場合があり、1本での購入になります
ホウボウの下処理
- ホウボウは、うろこが細かい為、うろこ引きでは上手く取れないので、金たわしを使ってうろこを取り除く
- 頭を落とし、腹を開き内臓を取り除く
- 残った血合いを歯ブラシを使って、綺麗に洗い流し、ペーパータオルでしっかりと水気をふき取りる
- 三枚に卸しガン腹を包丁で外し、血合い骨を抜き、皮を引く
- 盆ざるを水で濡らし塩を振り、ホウボウを乗せ、両面に塩を振る
- 10分~15分位当て塩をして、冷水で洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み冷蔵庫で1日位寝かせる
鱸(スズキ)
スズキは、出世魚で、セイゴ(30㎝まで)、フッコ(40㎝~60㎝)、スズキ(60㎝以上)と呼び方が変わる
一般的なスズキは、マルスズキと呼び、旬は、夏です
スズキの種類である平スズキは、高級部類なり、綺麗な海でしか育たない高級品です
平スズキの旬は、秋から冬です
自宅で鮨ネタとする際は、セイゴ又は、フッコサイズで購入すると使い勝手が良いです
スズキの目利き
- 魚体に光沢がある物
- エラが赤く鮮やかな物
- 身に張りがあり腹の部分がしっかりしている物
- 魚全体を見て頭が小さく見える物
- 目が澄んでいる物
自宅で鮨を握る場合は、セイゴを購入しましょう
スズキ(セイゴ)の下処理
- セイゴのうろこをうろこ引き(バラ引き)で取り除く
- ※頭や背びれなど鋭い魚なので、魚を持つ方の手は、軍手などをして気を付けてうろこを取り除きましょう
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く(セイゴは、内臓を取ると中骨に浮袋が付いているので、その部分も包丁で切りつけ血合いが見えるようにする事)
- 血合いを歯ブラシを使って綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取る三枚に卸しガン腹を包丁で外す
- 血合い骨に沿って包丁で切り、柵どりする
- 皮を引き、盆ざるを使って当て塩を10分~15分位する
- 冷水で塩を洗い流し、ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み冷蔵庫で1日位冷蔵庫で寝かせる
- 活〆の場合は、2~3日位冷蔵庫で寝かせる
- 夏場にセイゴを握るのであれば、梅干しを叩いたものを天(表面の一番高い部分)に乗せて鮨を食べさすのも良い(夏場でさっぱりと食べさす)
鮍(カワハギ)
カワハギの旬は、11月~2月頃までの肝が張っている時期が価値あり美味い時期です
肝が張っていないとカワハギを食べる価値がない程、重要な部位です
小型魚ですが、肝の張って鮮度がよい物は、高値で取引されます
カワハギの目利き
- 目に張りがあり澄んでいる物
- 魚体表面の柄がハッキリして黒っぽい物
- お腹部分がぷっくらしていて、張りがある物
カワハギの下処理
- 表面をたわしで洗い流す
- 口ばし付近を包丁で落とし背の部分を手前に置く
- 頭と胴体の切れ目の部分に包丁目を入れ、半分切れた頭を握って、引きちぎるようにはがす
- 頭の部分に肝と内臓が一緒に付いてくるので、苦玉(緑の胆のう部分)をつぶさないように外す
- 肝を丁寧に取り外す
- 皮を手で剥がす
- 血合いを歯ブラシを使って綺麗に冷水で洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り3枚に卸す
- ガン腹を包丁で外し血合い骨に沿って切り付け柵どりする
- 表面の膜皮を包丁で引き、身に薄めに当て塩をして5分位置く
- 身を冷水で洗いペーパータオルでしっかり水気を取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み、1~2時間冷蔵庫で寝かせる
- 肝は、血管があるので、包丁で切れ目を入れ、骨抜きで抜きとる
- 小さめの器に酒、塩少々入れ、肝を付け5分位置き、血を抜く
- 肝を洗わずにペーパータオルで水気を取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み1時間程冷蔵庫で寝かせる
- 寝かせた肝は、包丁で細かく叩き小さな器に入れて置く
- 身を鮨ネタに切り付け握り、小ねぎを刻んだものをシャリに付けて握り、天(表面の一番高い部分のところ)に肝を乗せ、煮切り醤油又は、ポン酢を塗る
- わさびの代わりに肝の横にもみじおろしを添えても美味い
伊佐木(イサキ)
イサキの旬は、5月~7月頃で、脂が乗って美味い
皮目も美味しく焼霜で食べても香ばしく食べられる
イサキの目利き
- 目が澄んでいて張りがある物
- 魚体がふっくらして光沢がある物
- エラが赤く鮮やかな物
- 身に弾力がある物
イサキの下処理
- うろこをうろこ引き(バラ引き)で取り除く
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、3枚に卸す
- ガン腹を外し血合い骨を骨抜きで抜く
- 焼霜で握る場合は、皮を引かずに両面に当て塩をして5分~10分位置き、冷水で洗う
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み1日位寝かせる
- 握る時に皮目をバーナーであぶり握る
- 皮を引く場合は、皮目を引いて両面当て塩をして5分~10分位置き、冷水で洗う
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み冷蔵庫で1日寝かせる
矢柄(ヤガラ)
ヤガラの旬は、11月~1月で、体長1m~2m位になる細長く矢のような形の珍しい魚です
まずスーパーマーケットでは、見かけられない口も長く筒状で、面白い顔の白身魚
外見とは、裏腹で身は、透き通るような純白でクセがなく上品のある旨味が特徴です
ただやたらと細長く扱いづらい魚です
ヤガラの目利き
- 赤く鮮やかな柄をしている物
- 目が澄んでいる物
- 身が硬く張りがある物
ヤガラの下処理
- うろこは、皮と一体化している為取れないですが、表面に粘膜が付着しているので、包丁で取り除く
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- かなり細長いヤガラなので、自宅で卸す場合は、まな板サイズに筒切りしてしまうと処理しやすい
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、筒切りした使う部分だけを三枚に卸す
- ガン腹を包丁で外し血合い骨に沿って切り柵どりする
- 皮目を引いて、両面当て塩をして、10分位置き冷水で洗う
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み1日位寝かせる
虎河豚(トラフグ)
フグ全般は、フグ免許がなければ購入出来ませんが、トラフグを握りで食べても美味しいので、記事にしてあります
私は、フグ免許を持っているので扱えますが、一般の方は、扱えないですが、トラフグの「てっさ」(薄造り)を購入して鮨として握ってみて下さい
たっさ自体一枚が非常に薄くなっているので、握る時は、2~3枚重ねて握るようにすると美味しく食べられます
小ねぎを刻みシャリに付け、フグ握りとしてポン酢を塗り、天(表面の一番高いところ)にもみじおろしを乗せて食べさせても美味しくなります
石鯛(イシダイ)
イシダイの旬は、3月~6月頃で市場でも入荷量が少なく高級な白身魚
身質がしっかりして、脂が乗っている頃は、舌触りが良く濃厚な旨味がある
イシダイの目利き
- 目が澄んでいて張りがある物
- 身に弾力があり、しっかりとしていて硬い物
- エラが赤く鮮やかな物
- 魚体表面にぬめりがあり、光沢がある物
イシダイの下処理
- イシダイは、うろこが細かいので、すき引き(包丁でうろこをすいて取り除く事)で、すいて取り除く ※出来ない場合は、金たわしでうろこを取り除く
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、三枚に卸す
- ガン腹を外し皮を引き両面に当て塩をして10分から15分位置く
- 冷水で洗い流しペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み1日位寝かせる
縞鯵(シマアジ)
シマアジの旬は、6月~9月位です
天然物は、漁獲量が少なく養殖物が多く市場で出回っています
養殖物は、天然物に比べ値段も落ち着いていて、購入しやすく、脂乗りは、一年を通じてほぼ変わらない為、鮨屋ではシマアジを使うところが多くあります
シマアジの目利き
- 目が澄んでいて張りがある物
- エラが赤く鮮やかな物
- 魚体に光沢があり、みずみずしい物
- うろこがしっかりと付いている物
- 身に張りがあり硬い物
シマアジの下処理
- シマアジのゼンゴ(シッポ付近のうろこが硬くなった部分)を包丁で上下に動かしすき引きする
- うろこをすき引き(包丁で上下に動かし、うろこを取り除く)する
- ※すき引き出来なければ、金たわしを使って、うろこを取り除く
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、三枚に卸す
- 血合い骨に沿って包丁で切り、柵どりする
- 皮目を引かないで、両面に当て塩をして10分~15分位置く
- 冷水で洗い流し、ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み半日~1日位寝かせる
- 鮨ネタに使う時に銀皮を残すように皮目を引く(身に銀色の膜を残すと綺麗な為)
シマアジは、皮目を引くと酸化し変色するのが速い為、鮨を握る寸前に切り付ける事
一度に鮨ネタを切らない時は、皮目を引かず使う枚数を包丁を寝かせながら身を皮から剥がすようにそぎ切りする
鰤(ブリ)
ブリの旬は、12月~2月頃で、寒ブリと言われる時期が脂が乗って美味い
出世魚で、ワカシ(15㎝~30㎝)、イナダ(30㎝~50㎝)、ワラサ(50㎝~60㎝)、ブリ(60㎝以上)と呼び名が変ります
自宅で鮨を握るのには、ブリ1本買いは、多すぎる為、柵どりした物を購入しましょう
ブリ(ワカシ)の目利き
- 目が澄んでいて張りがある物
- エラが赤く鮮やかな物
- 魚体に光沢がある物
- 身に張りがあり硬い物
- 表面にスレ跡が無い物
ブリ(ワカシ)の下処理
- ブリのうろこをすき引き(包丁を上下に動かしうろこだけを引く事)にする
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- 血合いを歯ブラシ又はササラで綺麗に洗い流す
- 大型なので、タオルを用意してしっかりと水気をふき取り、半身又は四分一卸す
- ブリは、酸化し変色しやすいので、使う部分を卸し使わない部分はコロにしてフレッシュマスター(保鮮シート)でしっかり包みラップで包み冷蔵庫保存にする
- 柵どりした身を天ぱねして使いやすい柵にする
- 皮目を引かずフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み鮨を握るまで冷蔵庫で保存する
勘八(カンパチ)
カンパチの旬は、6月~8月位ですが、この旬時期を過ぎても味が急激に落ちる事が無い大型魚です
カンパチは、出世魚で、ショッコ10㎝~35㎝、シオゴ35㎝~60㎝、アカハナ60㎝~80カンパチ80㎝以上と呼び方が変わります
カンパチを自宅で調理する事は、大変な為、小柄なショッコ又は、柵どりしたカンパチを鮨ネタにする事をおすすめします
カンパチの目利き
- 目が澄んでいて張りがある物
- エラが赤く鮮やかな物
- 魚体に光沢があり柄がはっきりして綺麗な物
- 身に張りがあり硬い物
- うろこがすれていない物
カンパチの下処理
- カンパチのうろこをすき引き(うろこを包丁で上下に動かしすいて取り除く事)で取り除く
- ※すき引き出来ない方は、金たわしでうろこを取り除いて下さい
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- 血合いを歯ブラシ又は、ササラ(竹製ホウキ状の物)で綺麗に洗い流す
- 大型魚なので、タオルでしっかりと水気をふき取り、三枚に卸す
- ガン腹を外し、血合い骨に沿って包丁で切り付ける
- カンパチの背の柵は、甲高で鮨ネタを切り付けにくいので、天ぱね(柵の厚みを半分くらいに切り分ける)する
- 天ぱねした三角形の柵と四角になった柵と腹側の柵と半身で3柵取れるので、それぞれ皮目を引かずにフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み半日~1日位寝かせる
- 鮨ネタを多く切り付けるのであれば皮を引いてから切り付け、少しだけ鮨ネタを切り付ける場合は、皮目の手前で剥がすようにそぎ切りにする(皮目の部分が酸化して変色してしまうのでこのように対処する)
- 腹の柵の皮引きは、銀皮(皮と身の間の銀膜の事)を綺麗に残して皮目を引く
細魚(サヨリ)
サヨリの旬は、12月~3月位で産地により多少の時期がズレます
身質は、透明感のある白身ですが、鮨ネタとしては、光物の部類で扱われます
12月頃は、別名カンヌキと呼ばれ、大型に成長して30㎝~40㎝になり、身も厚く高値で取引されます
普通の白身魚の食感とは異なり、歯切れが良く、癖のない上品な香り、品の良い脂乗りと独特の旨味など魅力なる光物です
サヨリの目利き
- アゴしたの赤い部分が鮮やかな物
- 腹部分が銀色でキラキラと光沢ある物
- 腹の部分がしっかりしていて、身に張りあり硬い物
- 身に厚みがあり頭から見て丸みがある物
サヨリの下処理
- サヨリの後ろの方にある背びれを包丁で切る
- 包丁でシッポ部分から頭にかけてこすってうろこを取り除く
- 腹びれを包丁で押さえ、片手で身を起こして腹びれを引き剥がす
- シッポの部分を包丁で切る
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流し、ペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
- サヨリの中骨は、頭の方から断面に骨の形を見ると三角形です
- 三角の骨の形を考えながら包丁の入れる角度を立てて、皮目の寸前まで開き、腹開きにする
- ※腹開きが出来ない方は、三枚に卸しても構いません
- 開いた面を上にしたまま、残りの中骨を包丁で剥がすように取り除く
- 身が薄い魚なので、ガン腹を丁寧にそぎ取る
- 背びれに沿った骨ぎわ部分に包丁で皮を切らないように2本切れ目を入れて置く(後で皮目をはがしやすくする為)
- 血合い骨を骨抜きで抜く
- 盆ざるを濡らし薄めの当て塩をしてサヨリを並べ、上から薄く当て塩をして5分位置く
- 冷水で洗い流し、ペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
- 皮目を重ね合わせフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み半日~1日位寝かせる
- 皮目をはがす時は、皮目を酢で濡らし頭の方から手で皮をむき、銀皮を残す(銀皮が残りやすいのは、鮮度が良い物)
- サヨリ身が厚みがある場合は、背の方側を包丁で切り開き、身の幅を広くして身の厚さを均等にする
- 適度の幅に切り付け鮨ネタとする
- 小ねぎをシャリに付け、サヨリを握り、天に生姜を乗せる
鯵(アジ)
アジの旬は、5月~8月頃で特に6月、7月とより脂が乗って美味しい時期です
特に釣アジは、高級魚として高値で取引され、身質、鮮度、脂乗りなど網で漁獲されるアジと比べ格段に違いが解ります
自宅で美味しい鮨を握るのであれば、釣アジをおすすめしたいです
アジの目利き
- 目が澄んでいて張りがある物
- 魚体に光沢がありキラキラしている物
- エラが赤く鮮やかな物
- 活〆されている物
- 身に弾力があり身が厚く丸みがある物
- 腹付近が硬くしっかりしている物
- うろこがビッシリ付いていて傷が無い物
アジの下処理
※背開きが出来なければ、三枚おろしでも構いません
- アジのゼンゴ(表面にあるギザギザの部分)を切れる包丁で上下にこするように、身を傷つけずに取り除く
- ※最初は、身の方に食い込んでしまうので、何回か練習して上手く出来るようにしましょう
- 出来ない場合は、ゼンゴを取らずしましょう
- うろこを包丁で綺麗に取り除く
- 頭を落とし腹は、開かずに内臓を包丁の先で、身を傷つけないようにかき出す
- 残った内臓、血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
アジ背開きの仕方
- 背を手前にして頭の方から骨に沿って包丁を入れ、中骨の所まで切り、尾の方に切り進める
- ガン腹のつけ根部分を切り、中骨の向こう側の腹の身を骨に沿って皮目の手前まで切り付けて開く
- 開いた身を裏側にして、尾の方から背びれに沿って浅めに包丁を入れる
- ガン腹のつけ根部分から包丁を入れガン腹のつけ根を切り、中骨に沿って押しながら尾に向けて切り開く
- 背開きした身と骨の部分と腹の皮でつながっている部分と尾びれの部分を切り落とす
- 背開きが出来たので、尾を上にした状態で右側のガン腹を薄くそぎ取る
- 左側のガン腹は、包丁の刃を外に向けて、外側に引くように薄くそぎ取る
- 尾びれを包丁で切り落とす
- 血合い骨を骨抜きで抜く(必ず指で触り骨が残っていないか確かめる)
- 盆ざるを濡らし当て塩をして、開いたアジを皮目を下にして置き、身側に塩を当て5分位置く
- ボールに冷水を貯め、アジをサッと洗う
- この洗う作業を3回やり、洗った盆ざるにアジを乗せ5分程度水気を取る
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、皮目を重ね合わせフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み半日~1日位寝かせる
- ネタの切り付けは、アジを開き半身に切り付け、皮目を包丁の背の部分で押さえ付け、まな板をこするように銀皮(皮と身の間にある銀膜の部分)を残してはがす
- アジを鮨ネタに切り付け、飾り包丁をして握り、煮切り醤油を塗って天に当たりネギ(小ねぎと生姜をペースト状にした物)を乗せる
※背開きが出来なければ三枚おろしでも構いません
小肌(コハダ)
コハダは、出世魚になり産地により多少時期が異なります
3㎝~5㎝ シンコ(6月後半~8月初旬)
6㎝~10㎝ コハダ(8月~9月)
11㎝~15㎝ ナカズミ(9月~11月)
16㎝~ コノシロ(11月~)
産地として有明海(佐賀)、瀬戸内周辺、三重、愛知、静岡、東京湾など
- うろこが全体に付いていて、銀色に光っているもの
- 目が澄んでいて、赤くないもの
- 魚を触り腹や身がしっかりと締まっているもの
- 小肌は、7㎝~10㎝ぐらいのものを選別する
- 小肌を立塩氷(塩水に氷を入れた物)に鮮度を落とさない為に付けて置く
- 立塩氷をもう一つボールなどで用意しておく
- 小肌のうろこを包丁で丁寧に早く取る
- 頭の後ろに黒い点があるので、その黒点を残して頭を落とす
- 背びれ、尾びれを落とし、腹を落とすときは、肛門から頭の方をかけて腹をやや末広(扇型)になるように切り付ける
- 左の親指で内臓を軽く取り出し小肌をボールに移しておく
- この作業を全部手早くして、まな板、包丁を一度綺麗に洗う
- 内臓の汚れを1本ずつ水道水で洗い立塩氷に付けて置く
- 卸す時は、1本ずつ取り出し、腹開きにする
- 開いたらガン腹(腹骨部分)を丁寧にすくように(包丁を寝かせ薄く切る)落とす
- 左右ガン腹をすき、最後に背骨の部分に切れ目を入れ、形を整える
コハダの締め方
- 盆ざる(竹ざる)に塩を均等に振り、卸した小肌を皮が下になるように並べる
- 身の方に均等に塩を振り15分~30分常温で置きます(脂のり、大きさ、季節、気温)で塩の置き時間が変わるので、これは、経験し学んで下さい
- 浸透圧で小肌の表面に水分が浮かんできましたら、塩を洗い流すサインです
- 小肌の表面の塩を洗い流しますが、ボールに水をためてその中に小肌を入れ塩をざっと洗いざるに上げます
- この工程を3回繰り返し水を切ります
- 米酢、赤酢、穀物酢などシャリに合わせて漬ける酢を用意します
- 最初は、ボールに少な目の酢を入れ小肌を軽く酢洗い(酢でざっと洗う)してざるに上げます
- 次の工程で酢に漬けますので、たっぷりボールに入れ、皮と皮を付けて酢に漬けます
- 銀皮の光を綺麗に仕上げる為、皮同士を付けるのです
- 漬ける時間は、好みによって様々ですが10分~30分位です
- 目安として軽く締めたい方は、10分程度、しっかり締めたい方は、30分強です
- 小肌の表面が白くなって来ると酢が入ってきている証拠なので、確認しながら締め時間を調節して下さい
- 酢から引き上げたらボールの内側に皮目をくっ付けて並べます
- ボールの中心部分にペーパータオルを折りたたんで酢を吸わせるように置いて、ラップして冷蔵庫で最低1日寝かせて旨味を引き出して下さい
鰯(イワシ)
イワシは、回遊魚で日本各地で漁獲され、昔は、大衆魚でしたが、近年獲れる数も少なくなり値段も上がっています
イワシの旬は、5月~10月頃までですが、産地により旬が移ります
イワシは、種類がありますが、鮨ネタでは、マイワシが使われます
イワシの目利き
- 目が澄んでいる物
- うろこが付いていて、青みの光沢がありギラギラしている物
- 身が張っていて硬めの物
- 腹付近がしっかりしている物
- 身が厚く丸みがある物
イワシの下処理
- うろこを包丁で取り除く
- 頭を落とし腹を開き内臓を取り除く
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取りる
- イワシの卸した方3種類(包丁で腹開き、手開き、包丁で三枚おろし)あります
- 手開きは、身が崩れる為、鮨ネタにするより、フライ、かば焼きなどで使われる卸し方ですが、さばき方は、載せておきます
■包丁で腹開き
- 頭の方を右で腹を手前に置き、上身を開く
- ひっくり返さずに中骨を切り外すし、尾びれも切り落とす
- 両サイドのガン腹を薄くそぎ取る
- 骨を丁寧に抜き取る(骨は、数が多く曲がって長い為、身が多少崩れますが、食べやすく美味しい鮨にする為にしっかりと取り除きましょう)
■手開き
- 手開きにする前に手を冷たい氷水に浸し、手を冷たくしておいて下さい
- 薄手ゴム手袋を使用しても構いません
- 内臓を取り除いて、水洗いし、水気を取ったイワシのシッポを包丁で落とす
- 腹を手前に手のひらに両手で持ち、右の親指を中骨と身の間にのめり込むように差し込む
- 親指の腹の部分を中骨に沿うように右側に進ませ半分開く
- 次に左の親指を身と中骨の間にのめり込ませ差し込む
- 親指の腹の部分を中骨に沿うように左側に進ませ半身を開く
- 半身開いたら頭を左に置き、片側の中骨の頭側を指でつまみ、左手で身を押さえながら身と中骨をはがすように右手で少しずつ骨をつまみ取っていく
- 半身になったら左右のガン腹を包丁でそぎ取る
- 骨抜きを丁寧にする(多少の身崩れしますが骨がない方が美味しく食べれるので)
■包丁で三枚おろし
- 頭を右に腹を手前にして置く
- 頭を落とした断面で身と中骨の間に包丁を入れ大名おろし(骨に沿って半身を一気に卸す)にする
- 残りの半身を裏返し中骨に沿うようにして、一気に卸す
- 両方のガン腹をそぎ取り、血合い骨を骨抜きで丁寧に全部抜き取る(多少身崩れします)
- 卸し終えて、骨抜きしたイワシを盆ざるを使い、薄めに当て塩を両面して5分位置く
- 水分が浮いてきたらペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、皮目を重ね合わせフレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み2~3時間寝かせる
- イワシの皮を手で剥がす前に皮目に酢を塗ると皮目をはがれやすくなる
- イワシの身を使う分だけ半身ずつ剥がして使う(血合いの酸化を防ぎ、鮮度が落ちにくくなる為)
- 鮨ネタを切り付け、皮目部分に隠し包丁など入れ、シャリに小ねぎを付けて握り、煮切り醬油を塗り、天におろしショウガを乗せる
鯖(サバ)
サバの旬は、10月~2月頃で、鮨ネタとして使われる種類は、マサバで鮨店では、多く使われています
マサバは、鮮度が落ちやすく、身がやわらかいので、酢締めにして鮨ネタにするのが一般的です
大衆魚であるマサバは、値段も手ごろですが、高級ブランドもあります
一部ですが、ブランドのサバで言うと、宮城の金華サバ、神奈川の松輪サバ、青森の八戸前沖サバ、大分の関サバなど様々各地でブランド化され流通しています
サバでの注意点は、サバアレルギーがある方、アニサキス(寄生虫)とあり鮨を握るうえで気をかけないといけない重要な事です
自宅や店で鮨ネタとして使われる時は、必ずサバアレルギーでないか確認してから鮨を提供しましょう
アニサキスは、サバに寄生するので、目利きでは、解からないですが、購入する時は、その海域のサバがこの時期にアニサキスが多くいるかなどの情報を聞いてから購入しましょう
この2つの注意点をしっかりと確認する事で、安全に美味しく鮨を握る事が出来るので、おろそかにせず心がけましょう
サバの目利き
- 目が澄んでいて張りがある物
- 身に弾力がある物
- 特にお腹の部分がしっかりして弾力がある物
- エラが赤く鮮やかな物
- 魚体が丸みを帯びている物
- 表面に光沢があり色目が鮮やかな物
- 身体全体を見て頭が小さく見える物
サバの下処理
- サバは、身がやわらかいので運ぶ時は、両手で持つ事(身割れしてしまう為)
- 包丁でうろこを取り除く(あまりゴシゴシと力を入れない事)
- 腹を上に立てるように支え、腹びれの後ろから背骨に当たるまで包丁で斜めに切る
- 背を手前にしてねかせ、胸びれの後ろから背骨に当たるまで斜めに包丁で切る
- 腹を手前にして、胸びれの後ろから包丁を入れ、背骨を切り、頭を落とす
- 肛門から包丁で腹を切り開き、内臓を取り除き、血合いに切れ目を入れ、血合いを取れやすくする
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取り、なるべく身割れしないように三枚に卸す
- 三枚にした身のガン腹のつけ根の部分だけを包丁で、浅く切れ目を入れて置く(ガン腹が少し外れている状態)
- この切れ目を入れる事により、酢締めした後にガン腹をそぎ落としやすくする為
- 盆ざるにたっぷりの塩をひき、皮目を下にして、両手サバを持ち、塩の上に乗せる
- 身の表面にも塩をたっぷり乗せる(塩を多く当てる事をベタ塩という)
- 盆ざるの下にバットなどを引いておく事(サバの水分が出てくる為)
- サバの脂乗り身の厚さなど様々である為、塩を当てる時間は、異なりますが、目安として1時間~1時間半で、冷蔵庫に入れ、塩締めするようにする
- ボールに冷水を貯め、塩締めしたサバを洗う
- これを3回繰り返す
- ペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
- 酢を用意するのですが、シャリに使う酢と同じものを使うと鮨を食べた時に調和が取れ、より美味しく鮨が楽しめます
- 例えば、赤酢でシャリを仕込む場合は、赤酢で締め、米酢でシャリを仕込む場合は、米酢で締める
- 締める酢は、やや多めに冷蔵庫で冷やして置く
- 大きめのボール又は、タッパーにする酢を入れ、サバを酢締めする
- 漬ける時間は、脂乗り、身の厚さ、自分の好みにより時間が変わってきますが、目安として30分位漬ける
- 酢を浅く漬けたい方は、10分位、しっかり酢締めしたい方は、40分~50分位が目安にする
- 酢からサバを取り出しペーパータオルで軽く押さえ酢をふき取る
ここで先程のアニサキスの事があるので、私は、安全に美味しく鮨を握って食べてもらいたいので、冷凍する事をおすすめします
アニサキスは、マイナス20度以下で24時間以上で死滅するので、安全に美味しく食べる為に一度冷凍する事
■サバを冷凍して安全に仕込む方法(アニサキス防止)
- 冷凍するサバの身に付いているガン腹は、外さないで半身ずつ、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み冷凍で20度以下、24時間以上寝かせる
- 解凍する時は、鮨を握る前日に凍ったサバの身を冷蔵庫に移し、ゆっくりと解凍しておく
- 鮨ネタを使う時にラップ、フレッシュマスター又はキッチンペーパーを取り除き、ガン腹をすいて外し、血合い骨を骨抜きでぬく
- サバの血合い骨は、先の方が細く切れやすい為、骨を綺麗に抜くコツとしては、血合い骨を骨抜きで、はさんでシッポ側に少しずらし、血合い骨を抜くと途中で骨が切れにくいので抜けやすくなる
- 身側を下にして、皮目を頭からシッポ側に手で丁寧にはがす
- 皮目を下にした鮨ネタをシッポから繊維に直角になるように斜めに切り付けていく
秋刀魚
サンマの旬は、以前8月~11月頃までですが、年々サンマの漁獲量が減少し、しかもやせ細ったサンマが多く見られるようになり、9月中旬~11月頃の短い期間にやっと太ったサンマが獲れ始めます
秋を代表する大衆魚であったサンマですが、悲しい事に値段も高騰するようになって来ています
サンマの目利き
- 目が澄んでいて張りがある物
- 大きめで頭より体の方がこんもりとふっくらして丸みがある物
- 身に張りがあり、しっかりしている物
- 特に腹の付近がしっかりしている物
- エラが赤く鮮やかな物
- 体表がギラギラと光っている物
サンマの下処理
- サンマのうろこを包丁で取り除く
- 頭を落とし、肛門から腹を開き、内臓を取り除く
- サンマの内臓は、小鍋に入れ取っておく(サンマの練肝の作り方は下記にて)
- 血合いを歯ブラシで綺麗に洗い流し、ペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
- 頭の方から大名おろし(中骨に沿って一気に卸す事)にして、三枚に卸す
- ガン腹を薄くそぎ落とし、血合い骨を骨抜きで抜く
- 血合い骨をぬく時は、身が骨に付きやすいので、血合い骨を骨抜きでつまんで、ややシッポ側にずらしてから骨をぬくと身が付きにくい
- 盆ざるに薄く塩を当て、サンマの皮目を下にして置き、身の方側にも薄めに塩を当てる
- 5分位置いて、冷水で軽く洗い、ペーパータオルでしっかりと水気をふき取る
- 皮目同士かさねて、フレッシュマスター(保鮮シート)又はキッチンペーパー、ラップで包み冷蔵庫で1時間ほど寝かせる
- 鮨ネタにする時は、皮目に酢を塗り、皮をはがして鮨ネタを切り付ける方法と
- 皮目を引かずに切り付けて、皮目をあぶって握る方法がある
- サンマを握る際に、シャリに小ねぎを付けからワサビ又は、ショウガで握る
- サンマ握りの天(表面の一番高いところの言い方)練肝を乗せて食べさせるとより美味い
サンマの練肝の作り方はこちら(有料記事になります)
穴子
アナゴの旬は、夏という職人と冬という職人と意見が分かれます
身近に食べられているアナゴですが、実は、生態などは謎めいている魚なのです
近年の研究で一部解明されて、来ているそうですが、産卵場所や産卵を生涯どの位するのかなど未だに解明されていないのです
アナゴを今まで数多く割いてきましたが、卵を体内に抱えているのは、見たことがなく、知り合いの職人たちも卵を見た人は、誰一人としていませんでした
アナゴは、産卵する為に遠く離れた東シナ海、フィリピン近海で産卵するのでは、ないかと考えられている為、日本近海で取れるアナゴは、卵を持っていないと考えられています
そんな謎めいたアナゴは、日本近海で2月頃からアナゴの※仔魚(しぎょ)が獲れ始め「ノレソレ」と呼ばれ春の訪れを告知する珍味魚として市場に出回り始めます
※アナゴの仔魚(しぎょ)とは、生まれて間もない状態で、レプトケファルスと呼ばれ透明で柳の葉のような形をしています
産地やアナゴの大きさなどで、ばらつきがありますが、夏時期は、比較的に身質に弾力があり、旨味が増え、やや淡泊のなかに味わいがあります
一方、冬時期も産地、アナゴの大きさによって、ばらつきがありますが、比較的に脂を蓄え、ややこってりとした身質も柔らかく煮上がります
年間を通じて美味しく食べられるアナゴは、どの時期も捨てがたい鮨ネタである事は、間違えないのです
アナゴの目利き
- 表面のぬめりに透明感がある物
- 全体的に丸みがあり、肉厚な物
- 活〆であれば、締めた切り口部分の血が、赤く鮮やかな物
- 野締めは、NGで、活け又は活〆を選ぶ事
- 背中の色合いもはっきりしている物
アナゴは、卸す数をこなし経験しなければ、上手く割く事は、出来ません
もしチャレンジしたい方であれば、下記の「アナゴの下処理」を見てアナゴを割いてみて下さい
必ず指は、切らないように注意する事
アナゴの下処理
- まな板は、アナゴの長さよりの長い物で、厚みがある物を用意する
- まな板の右端に穴を開け、目打ちが入り、しっかり固定出来るように準備する
- 活けのアナゴは、つかみにくいので、さらし、ふきんなどでアナゴの頭の下付近を捕まえてる
- 頭と胸びれの間に包丁で半分だけ切れ目を入れ、中骨を切りかけて、頭が付いている状態で締める
- 背を手前にして、アナゴの目に目打ちを差し、まな板の穴に入れ目打ちを打ち固定する
- 胸びれの後ろあたりから、包丁の刃先を中骨の上まで切れ目を入れ、刃先をやや上に向け骨に沿って切り進める
- ※中骨は、肛門まで三角形である為、刃先を斜めに入れると身に骨が付きにくくなる為
- 左手の人差し指で包丁の刃先を感じながら肛門まで切り進める(腹を突き破らないように確認して切り進める事)
- 肛門を過ぎると中骨が平らになるので、中骨に沿って包丁の刃先の角度を水平にする
- 左手親指で包丁を左に押しながら中骨に沿って尾びれまで角度をかえずに切り進める
- 背開きにしたアナゴの中骨の腹側に沿って、逆包丁(刃を上に向け切る事)にして、身を綺麗に開く
- 頭側の内臓を刃先で切り、左手でつかみ引っ張りながら内臓を取り除く
- 切れ目を入れた部分から三角形の断面の中骨を包丁の角度を立てて骨に沿って身を切り外す
- 肛門まで切り進めたら中骨は平らになるので、包丁の角度を身と水平になるように尾びれまで切り進め中骨を外す
- シッポ側の身と背びれの間に少し切れ目を入れ、左手でしっかりつまみ引っ張りながら包丁の刃先で切り外していく
- 頭を落とし内臓付近の汚れと小骨を包丁でしごき綺麗にする
- 開いたアナゴの身をたたんで、シッポ側の腹びれと皮目の間に包丁で切れ目を入れ、腹びれを左手でしっかりつまみ、引っ張りながら包丁の刃先で切り外す
- 開いたアナゴは、ボールに移し少し水を入れ、良くぬめりを取り除けるまで、3~4回水を変え、ぬめりを取る
- 内臓付近の汚れを綺麗に洗い流す
- ザルに上げ水気を取り除く
■アナゴを煮る
開いたアナゴをそのまま煮汁で煮てしまう方法と皮目を霜降りする方法とあります
私的には、霜降りしてから煮る方法をお伝えします
- まな板に皮目を上に向け、80度位のお湯を頭の方から皮目に掛け、すぐに冷水に落とします
- やや白くなった所は、アナゴのぬめり部分である為、たわしで軽く丁寧に洗い流します
- ザルに上げ水気を切り、煮汁を沸かし、アナゴを一本ずつ入れ、煮ていきます
- 沸騰するまで、強火にして、沸いたら弱火にして、クッキングシートを何箇所か切れ目を入れ、落し蓋代わりにして煮る
- アナゴの大きさ、脂乗り、身の厚さなどにより、煮る時間は、異なりますが、12~13分位が目安です
- ※煮る時間は、アナゴの質により変更して下さい
- 煮あがったら火を止め落し蓋をしたまま10分前後置く
- 落し蓋を外し、15分位置き、盆ざるに皮目を下にして重ならないように広げながら丁寧に置く
- ※煮汁からアナゴを引き上げる時、木じゃくしなどを使いながら崩れないように乗せ、盆ざるに並べる
- 冷めたら1枚ずつラップして、冷蔵庫又は、冷凍庫で保存する
- 煮汁は、キッチンペーパーで濾して、鍋に入れ、煮汁を土台として、アナゴの煮詰めを作る
アナゴの煮汁レシピは、こちら